賃金制度を始めとした人事諸制度を整備し、社員が将来設計を描きやすい会社は、自然と定着率が改善され、強い組織に生まれ変わることが可能です。
一方、労務管理が徹底していない企業では、思わぬ時に思わぬトラブルが起きて、日々の業務遂行にも支障を来してしまいがちです。
以下にそれぞれの企業事例をご紹介いたします。

A社のケース:社員が一人前になる前に辞めてしまうロスの回避!

A社は社員数約30人の中小企業ですが、直近の一年間で社員が3名も辞めて行きました。いずれも、入社して約2年程の若手社員です。

現場で一から仕事を教え、いよいよこれから一人前になって会社に貢献してもらおうという矢先の退職ですので、社長のショックは測り知れません。いったい何が原因なのでしょうか…。

社長が特に目を掛けていたKさんに理由を尋ねると、『今の会社では、将来の見通しが立たないので、辞めさせて頂くことにしました』と言います。ハッキリとは言いませんが、ようするに、『給料が安いから辞める』と、社長には聞こえました。

しかし、給与を引き上げるのはそう簡単なことではありません。社長は悩んだ末に当事務所にご相談に来られました。

B社のケース:大事な仕事が止まってしまう!

ある企業(B社)で、ある朝、経営者が仕入れ部門に、“新しい仕入れ基準”の話をしに出向かれた時のことです。
会議を開くほどの内容ではないので、外出前に、ちょっと立ち寄って、部長に仕入方針の部内徹底の確認をするつもりでした。ところが、部内は“騒然”としています。一体何が起きているのでしょうか…?

様子をうかがっていると、どうやら、
  『セクハラを放置しているのはおかしい』  
として、ある社員が部長に喰ってかかっているのです。

そこで社長は、部長に耳打ちで確認をした上で、外出することにしました・・・